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介護職に就く人の悩み 不満だけはない現場の声
- 2016/12/17
- 介護業界の転職ノウハウ

介護の現場は過酷で辛い・・・こんなイメージを持っている人が多いのではないですか。もちろん、どんな仕事をしても辛いことや悩ましいことはたくさんあります。ただ、物を扱うのではなく、人とのつながりやかかわりが多い仕事の中で、現場の状況に併せて乗り越えねばならない問題も多いことを考えると、介護職特有の悩みというものもありそうです。
そこで、2005年から調査を行っている、全労連の平成24年アンケートを元に、介護職現場に勤める人の悩み、そして業界全体の悩みを探ってみます。
○調査開始のきっかけともなった賃金問題
介護職に就く人の給料は相対的に低いという漠然としたイメージを抱いている人が多いという現状があります。実際にこの「介護施設で働く労働者のアンケート」結果では、全産業労働者の平均29
7700円と比較して、介護職正規職員の2013年10月期平均賃金は20
7795円と、9万円も下回っていました。
そして、この賃金格差は地域によっても色濃く、首都圏都市部では時給1074円なのに対して、東北や九州などの地方圏は1000円未満の所が7割以上を占めているという結果が出ています。
介護労働者はこれから更に必要になる事は、高齢社会の進み具合から見ても明らかです。安心してケアを任せられる人材確保のためにも、一定平均水準の給与体系が確立されれば、志を高くもった就労者の募集や働く人のモチベーション維持にも効果が期待できそうです。
○休みが取りづらいという悩みも
人材不足がこれから更に心配される業界ではありますが、現状でも休暇を取りづらい・取れないという悩みを抱えながら仕事をしている介護職員が多いという実態が結果に表れています。
休暇に関する質問のなかで「休日や休暇、仮眠が全く取れない」と回答した人(恒常的な残業がⅠ時間以上有る人、月10時間以上のサービス残業があと回答した人も含めて)が、全体の2割に及ぶという結果が出ています。有給休暇の取得も同じく2割の人が全く取れていないと回答しており、慢性的な人不足が顕著に表れています。
○辛いだけじゃない やりがいを知ってほしい悩み
同アンケートの回答で特徴的だったのが、「やりがいのある仕事」だと感じている人が全体の7割から寄せられていた事です。
辛いことも多く、仕事を辞めたい(いつも・ときどき)と感じたことがある介護職員の割合も半数近くに上っていますが、同時に利用者や家族からの「ありがとう」という感謝の言葉に励まされる職員の声も多く寄せられています。
現実に目の前の生活をアシストするだけではなく、自立した生活へ導く役割も担っている介護職員は、利用者の生きがいや人生にも大きく関わる職種です。
人とのかかわりをより密接に感じ、誇りを持って利用者や家族と過ごすことの素晴らしさとやりがいをもっと広く知ってほしいと感じているようです。